マーケティング

あり?なし?獣医3年目/月給45万円の求人

こんにちは、北村(@PLAN-B)です。

動物病院経営、いつも本当にお疲れ様です。

 

先日、ご支援先の院長先生が
動物病院院長向けの採用セミナーに参加されました。

業界的には新しいコンサルティング会社が主催する会だったようです。

そして、いつもありがたいことに、
セミナーの内容について、僕にシェアしてくださるんですが、

 

そのセミナーを要約すると、

「給与を高く設定する」ことが採用の秘訣

だったそうです。

具体的には、3年目の獣医で「月給45万円」を設定する。

そうすると、高い頻度で求人の問い合わせが来るようになるそうです。

なるほど、という印象を受けたのですが、

 

今回はこういった高い給与設定について、

求職者の目を引く効果
売り手市場の実態
求職者の期待と求める役割の一致

こんな内容から、
私が感じることを皆さんにシェアさせていただければと思います。

 

いつもお忙しい日々を過ごされていると思いますので、
せめてゆっくりリラックスして、ご覧いただけたら嬉しいです。

求職者の目を引く効果

まず、前提として、

動物病院業界が採用難であることの説明は、省かせていただきます。

※ただ、コロナ明けの2023年の動向で言えば、少し「人」が動き出している印象を受けます。

 

そんな中で、様々な動物病院、院長先生が、
それこそ、あの手、この手を使って、
採用活動に苦心されていらっしゃると思います。

 

僕は動物病院のご支援の一環で、
獣医や獣医学生、看護師や看護学生さんなど、
いろんな求職者の方と直接お話させていただく機会が少なくないのですが、

 

求職者サイドとしては、
そんな皆さんのあの手、この手の苦労に反して、

 

新卒・既卒を問わずに
「正直、どこを選んでいいか分からない」のが実情のようです。

どこも同じような求人内容に見えてしまう、と。

 

そんな状況なので、
多くの求職者は、まず実習先を探す上で、

地域、給与・待遇、

このあたりでフィルターにかけて、実習先の動物病院を選んでいる、、、そんな感じのようです。

 

なので、高い給与を設定するのは、
他院よりも目をひく、という点では一定の効果は期待できると思います。

実際、新卒獣医師で、月30万円前後でしょうから、
新卒から3年在籍でも昇給は1万円UPぐらいでしょう、

転職を考えている方であれば、
月45万円ともなれば、目を引きます。

 

参考情報として、高給の他に、動物病院業界で求職者の目を引く施策としては、

・週休3日制

など、待遇面での訴求があり、

僕も実際に求職者の方が週休3日にメモを走らせているのを目撃しているので、
一定の効果は得られるようにも感じます。

売り手市場の実態

ここからは、僕の所感を述べさせてもらおうと思うのですが、

「求職者の目を引く」ことができて、

採用に至ったとしても、

実際に、人材を「定着させる」のは、また違ったスキルが必要な印象を受けます。

 

冒頭でご紹介した採用セミナーでは、

高給45万円で来院された方に対して、

面接・実習を通して、ふさわしい人材かどうかを見抜く、ということでしたが、

もし、そんなスキルがあったら僕は羨ましいです。

 

これは!と思う方を採用してみても、
実際は???という失敗を何度もしてしまっています。

 

それ以上に感じるのは、

高給設定をしてしまうと、採用する側が想定以上にハードルを上げてしまうリスクがあるようにも思います。

 

高い給与設定で採用した場合もそうですし、
人材紹介会社さんから採用された場合も同様かもしれません。

どういうことかというと、

院長先生が、その人材に対して、求める基準値がめちゃくちゃ高くなっていないでしょうか。

これだけ払うんだから、払ったんだから、
このぐらいの仕事、動きをしてもらわないと採算が合わない。

 

費用対効果を考えれば、当然といえば当然なんですが、

たくさんの現場を見させてもらってきて、

こういった状態でスタートすると、雇う側も、雇われる側も、なかなか健全な心理状態にはならないように感じます。

 

また、雇われる側の心理としては、

残念ながら、そこまでハードルを上げられてしまっていることを理解できていない、想像力が足りないように感じます。

 

だからこそ、求職者の多くが安易に人材紹介会社を頼ってしまう実態があるように思います。
※人材紹介会社の利用率、どなたか調査してほしいです。

求職者の期待と求める役割の一致

今回のセミナーのお話を伺って、

求職者の目をひく採用手法はいろいろあっていいと思うのですが、
せめて院長先生に取り組んでいただきたいと思うのは、

求める人材の役割

これを明確にしていただけると、お互いにとってラクになると思います。

 

  • 欠員補充として
  • 将来の欠員リスク要員として

 

いわゆる頭数(あたまかず)ありきで、採用を進めてしまうと、
どうしてもミスマッチが生じやすくなると思います。

 

先述した通り、高給など、外的な報酬で集まった人材に対しては、
ご自身が考える以上に、求めるハードルも高くなってしまうと思います。

 

そんな中で、院長先生から、
「求める役割を設定するのが難しい」というお声もいただくことが多いのですが、

 

そんな場合に僕が具体的にお勧めしているのは、

「やってほしくないことをリストアップすること」

です。

 

例えば、

・外来時に〇〇をしてくれない
・診察時間が長い
・ムダな検査が多い
・症例の共有をしない
・オペに積極的でない
・看護師を雑に扱う などなど

自院のやり方、方針、
これまでのご経験で、嫌なことって、それなりにあると思うんです。

 

このあたりをリストアップして、実習や面接に臨まれると、
ミスマッチのリスクを多少なりとも軽減できるようにも思います。

 

また、採用活動がなかなか思うように進まない中で、

そもそも本当に人材が必要なのか、
人が減った状態で、事業規模を最適化するチャンスなんじゃないか、
人が増えることで、実は院長の精神的な負担を更に増やすだけではないのか

そんな視点を持たれて、
持続可能な自院のあり方について、検討されるきっかけにされてみるのもひとつかもしれません。

 

今人材が入ったとしても、また辞めてしまうリスクは当然あるわけですし、
そうしたらまた困難な採用をしなければならないです、、、。

 

以上が、僕の個人的な見解なのですが、

ただでさえ、多くのことを抱えられている院長先生が、
その全てをご自身でやりきるのは大変だと思いますので、

いつでもお声がけいただけたら嬉しいです。

 

また、皆さんのお考えやお声を聞かせていただけると励みになりますし、
お考えを伺う中で、違った視点からも情報をシェアできると思いますので、ぜひコメントをお寄せいただきたいです。

 

今回の記事では、

求職者の目を引く
売り手市場の実態
求職者の期待と求める役割の一致

こんな内容をシェアさせていただきました。

今日も一日頑張りましょう。