マネジメント

経営の神様「松下幸之助」マネジメントの金言

こんにちは、北村(@PLAN-B)です。

「ゴールを意識して逆算できる」

元阪神の藤川球児氏が、同じ松坂世代で43才でも現役を続けているソフトバンクホークスの和田毅氏をこう評しています。

スポーツシーンに留まらず、動物病院経営やビジネスシーンにおいて、このゴールを意識して逆算して行動することは欠くことのできない取り組みだと思います。

ただ頭で分かっていてもなかなかできない。

何ができないって、

自分ひとりであればできることも、スタッフを使うとなると途端に機能しなくなる・・・。

この意識共有については、私自身よくご相談いただく内容でもあります。

なぜ、できないか?

できない理由を私なりに考えてみました。

たくさんの院長先生のご支援を通じで思うのは、
それは院長の頭の中にある「ゴール」をスタッフさんに共有できていないから

秋田義一氏(話力総合研究所理事長)よると、

自分のイメージを100%整理することは難しく、話す情報量は80%程度に減少する。
ただ、全ての内容を自分自身で完全に言語化することもできないため、実際に相手に伝えられる情報量は64%程度に減少する。
また、その話を聞いた相手は、全ての真意を汲み取ることはできないため、最終的に伝わる情報量は51%程度になってしまう。
富士フイルム FutureCLIPより

とも言われているので、
そもそも自分が伝えようとすることが相手にはうまく伝わらないという前提があります。

経営者同士では話が通じるのにスタッフには伝わらないのはなぜ?

というのも、経営者同士という置かれている立場、境遇が似ている前提があるので、言語化できていないことをイメージしてもらいやすい訳で、スタッフになればそんな前提もないので、伝わることが難しくなるのは当然だと思います。

また、もう少し厳しい表現をすると、
そもそもスタッフさんに伝えようとしているでしょうか。

いつも口酸っぱく指示している
でも、何度言っても同じことを繰り返されてしまう
言うのも嫌になってきた・・・。

今回の記事では、

「ゴール」がブレてしまう問題
キーワードは「距離感」
パナソニック創業者、松下幸之助の教え

こんな内容をシェアさせていただきます。

いつもの通り、こちらでは私の考えや意見を述べています。
皆さんの視点での読み進めていただきたいですし、ご意見や感想などを寄せていただけると本当に励みになります。

「ゴール」がブレてしまう問題

ゴールを意識して逆算する、という話から本テーマは始まっていますが、
そもそも病院経営において、もっと大きなところでいえば人生において、しっかりゴールをイメージできている方はどのぐらいいらっしゃるでしょうか

正直、私自身はブレブレで歩んできた過去があるので、ブレない軸を常に持とうと日記をつけたり、瞑想の時間を設けたりするなど意識づけ、習慣づけをかなり心がけています。

日々変化して、先行きが不透明な経営環境に身を置かれていたら、しっかりとしたゴールをもって病院経営をするのは並大抵のことではないですよね。

昨日考えていたことが、今日には変わって、また明日には違うことを考え、判断しなければならない。

目の前の診察やオペに目を向けてしまえば、時間が過ぎ去ってしまう。

正直、こういう環境的な要素も大きいように思います。

また、院長先生と接して感じるのは、
ゴールを設定すること自体の難しさもあると思うんですが、それに加えて、考えがブレてしまう、変わることがあるので、ゴールを周りに伝えてしまうこと自体に嫌悪感や罪悪感を憶えてしまう、そういった要素もあるのかな、と感じています。

ただ、ゴールを方針転換すること自体は何も悪いことではなくて、ビジネスシーンにおいては「ピボット能力」というワードが確立されているぐらい当たり前のことであって、経営をする上で必要な要素とされています。
ピボット 東大IPC

ですので、ゴールを方針転換すること自体は否ではなくて、ゴールを設定しないことの方がステークホルダー(株主、従業員、顧客など)にとってマイナスという評価がなされるようです。

キーワードは「距離感」

ゴールは掲げた方がいい。
ゴールは後から方針転換してもいい。

その前提をクリアできたとして、
じゃあどうやって院長の頭の中にあるゴールをスタッフの皆さんに共有することができるか。

「スタッフとコミニュケーションをとって、連携を大切にしていきましょう」

ビジネス書等の教科書的にはそういう答えが出てきそうですが、それができていたら苦労されていないと思います。

意識的にコミュニケーションは取っているのに、自分が思ったように動いてくれない

また、日常的な会話であれば、オペの合間や保定中など話すことができるのに、大事な話になると、なかなか考えや意見を伝えられない、タイプによって、相手によって、こういうケースもあるでしょう。

私が思うポイントは、
院長とスタッフさんの『距離感』なのかなと思っています。

院長とスタッフ、その間には目には見えない壁があって、それは院長側からも、そしてスタッフ側からも双方で存在するものだと思っています。

スタッフさんに恵まれれば、その壁を簡単に乗り越えてコミニケーションをとってくれる方もいますが、それはレアケースです。

ダニエル・キム氏が提唱する「成功循環モデル」では、関係性の質が組織づくりのポイントとされています。

成功循環モデルについては、今回の記事では詳しい言及は避けますが、
院長とスタッフさんの関係性は自己評価、他者評価、ともに良好といえるでしょうか。

そして、その関係性を向上させるにはどうしたらいいでしょうか。

院長が今の状況を変えたいと思うなら、院長ご自身から「壁」を外していく必要があると思います。

今すぐ簡単にできる壁を外すアプローチは、感謝、ねぎらいの声がけです。

ありがとう
いつも悪いなぁ

そんな声掛けをスタッフさんに向けて意識的におこなっていってください。
このスタッフ苦手だなぁ、そんな相手にこそより意識的におこなってください。

スタッフさんとの距離感が認識できるレベルで必ず変わってきます。
距離感が変わってくれば、何気ない会話から院長の頭の中にあるゴールを少しずつでも共有していくことができるはずです。

パナソニック創業者、松下幸之助の教え

経営の神様と言われている、パナソニック(松下電工)創業者の松下幸之助氏。

私がマネジメントにおいて、心に留めている言葉があります。

かりに100伝えるために、100の思いを込めて話をすると。
しかし、その程度の思いではあかんのやな、思いがまだ足りんわけや。
部下に伝わっていくうちに、しまいには10ほどになってしまう。

100を部下の人たちに伝えようとするならば、そのことに責任者は10倍の1000の思いを込めんといかん。もう、あふれるような思いで訴えんといかん。そういう姿でないと、責任者の真意は伝わらんもんや。

これは、まさに今回お伝えしているテーマになります。

経営の神様と言われる松下幸之助氏でさえ、伝えることに神がかり的なノウハウはなくて、10倍の想いを込めて伝えなさい、と言っています。

自分の思いが伝わらない
スタッフの言動がちぐはぐで、頭を抱えている

もし、思い当たる節があるようでしたら、
まずは、スタッフさんとの距離感について、意識してみてください。

ありがとう、を10倍伝えてもいいと思います。

そして、 モデリング(観察学習)として、先輩スタッフも院長の行動を見て、後輩スタッフへ同じようにアプローチしてくれるはずです。

今回の記事では、

「ゴール」がブレてしまう問題
キーワードは「距離感」
パナソニック創業者、松下幸之助の教え

このような内容をシェアさせていただきました。

皆さんのご意見、お考えなど聞かせていただけると励みになります。