こんにちは、北村(@PLAN-B)です。
最近、つくづく感じます、、、
世の中におけるコンサルティングの価値がどんどん下がってきていることに。
決して広いとは言えない動物病院業界の中でも、大手といわれる企業病院や個人病院があり、また地域密着の個人病院があり、
コロナ禍があり、エネルギー高騰、世界情勢不安による物価上昇があり、
予測不能な経営環境の中で、大手には大手なりの、個人には個人なりの抱えている経営不安があるはずで。
白旗を上げる訳ではないですが、私たちのような外部支援者にできることは限られてきているように感じます。
ネットで調べれば、すぐにほしい情報が手に入る環境、むしろ、なんなら情報が溢れているような中で、私たちが提供する「価値」って何なのか。
今回の記事では
動物病院コンサルタントって、そもそもどんなプレイヤーがいるの?
評判はどうなの? コンサルの価値が下がってるどういうこと??
コンサルタントを選ぶ基準は??
こんな内容をシェアさせていただきます。
動物病院コンサルタントとは? 3つのカテゴリーと解説
以下、少し回りくどくなってしまいますが、SEOの兼ね合いで、動物病院コンサルタントについて解説させていただきます。
飛ばし読みしていただいて結構です。苦笑
Googleなどで「動物病院コンサルタント」と検索すると、動物病院向けにコンサルティングを提供しているプレーヤーが並びます。
その中でも、動物病院のコンサルタントは大きく3つのカテゴリーに分けられるかと思います。
- 財務系コンサルタント
- 開業コンサルタント
- 経営全般コンサルタント+α
そもそもコンサルタントって?
コンサルタントの定義は、下記の通りで、
企業経営などについて相談を受け、診断・助言・指導を行うことを職業としている専門家。「経営コンサルタント」
デジタル大辞泉
簡単にいうと、外部の「プロの相談屋」です。
といっても、獣医師のような国家資格はなく、名乗るだけでいつでも、誰でも「コンサルタント」になることができます。
フリーランスで働いている個人事業主のマッチングサイトが上場するような時代になり、コンサルタントが乱立するようになってきている訳です。
財務系コンサルタント
財務系コンサルタントは、言うまでもなく財務のスペシャリストなので、会計・税務を中心に主に税理士の先生がプレイヤーとなります。
決算・税務関連について、周知のことでしょうから詳細は省きます。
ただ、税理士業界自体が競争が激化していますから、付き合い方の割り切り・線引きは必要になってくるように思います。
ちなみに、決算・税務だけでなく、P/Lから粗利率・労働分配率までを加味し、キャッシュフローを最適化して、財務面から経営を効率化させるプレイヤーの方もいます。
先生の財務面を丸裸にして、予算権すらもある意味握ってしまう訳ですから責任あるポジションであり、怖さもあります。
開業コンサルタント
開業コンサルタントは読んで字のごとく、動物病院を開業する際に力となってくれるプレイヤーの方です。
この「開業」という分野も細分化すると、非常に多様なコンサルタントが存在します。
- 医療機器系のコンサルタント
- 建築系のコンサルタント
- 会計・士業系のコンサルタント
- 経営(開業専門)コンサルタント
- 金融機関系コンサルタント 等
ただ、動物病院業界では、資金調達や商圏・物件選定、建築・内装・設備等までを総請負でサポートしてくれるところが主要なようで、開業を検討している先生にはありがたいパートナーでしょう。
特に、金融機関、建設会社、設備機器会社と3つの会社が連合して開業セミナー等を実施されています。
企業連合による、ある種パッケージ化された枠組みの経済合理性をメリットとされるなら、多くの先生が勤務医として働かれながら開業準備をされる訳ですから、手取足取りとスケジュール感を持って進めてもらえるので忙しい先生方にはありがたい存在だと思います。
ただ、あれもこれもと提案されるでしょうし、開業を控えた先生は決断・決定しなければならない事項が1000以上にもなると言われているので、”判断力が鈍ってしまう”という話もよく伺う話です。一定以上の理論武装をして付きあう、必要はあるかもしれません。
経営全般コンサルタント+α
経営全般コンサルタントは、本当にいろんなプレイヤーの方が混在しています。
マーケティング、採用、人事労務、人材育成、、、と多岐に渡る経営分野を支援していくわけですが。。。
社労士さんは、人事コンサルタント、
WEB集客に強ければ、WEBコンサルタント、
人材紹介会社は、人材採用コンサルタントとも名乗れる訳ですし、
ただ、この領域のコンサルティングは非常に難しくなっている、提供する側の価値が下がってきていると感じる訳です。
記事の冒頭で、コンサルタントとは「プロの相談屋」と定義しましたが、そもそも相談屋になれているのか、、、。
ちなみに、私自身も動物病院のご支援で仕事をさせてもらいて、この経営全般コンサルタントに分類されると思います。
動物病院コンサルタントの価値が下がっているのか?
ここでは経営全般コンサルタントに言及していきますが、
コンサルタントの価値自体が急に下がった訳ではないと思うんです。
言葉遊びする訳ではないですが、僕らコンサルタントの「コンサルティング力」が追いつかない状況が次々と生じてしまっているように思います。
少子高齢化の先進国
ITの更なる進化、5Gの未来世界
ミレニアル世代を始めとする多様な価値観
既に成熟期を終えている動物病院業界
そして、コロナ後の世界、戦争、物価上昇….
最後のコロナ後の世界、戦争、物価上昇….については、本当に予測不能です。
そして、動物病院業界の成長指標についてですが、TKCの指標にあるように、令和元年の決算企業で、年商1億円弱の動物病院が前年105%の成長しています。
これサラッと言ってますけど、前年比プラス5%ってかなり大変です。
もう既にかなり大変な環境下で経営する先生方には申し訳ないんですが、動物病院経営はこうだ、と、ひと括りにと定義づけできない状況にああると思います。
オンライン診療
往診専門病院のグループ化
某最大手ペット保険会社の病院買収
深刻な人材不足
専門医療の更なる高度化とネットワーク化…
コンサルの立場からすると、
「売上を伸ばしてほしい」「採用力を強化してほしい」など、具体的なオファーをもらえるクライアントはすごくラクです。
言葉が悪いですが、他で結果が出た事例「過去のパッケージ」を当てはめればいいだけですから。定義づけしやすいです。
動物病院業界だけでなく、他の業界でも過去のパッケージの焼き増しができます。
で、コンサルティング力が追いつかない分野、つまり、過去のパッケージの焼き増しが使えない状況になるカテゴリーはというと、
- 採用系
- マネジメント系
- 今後の業界予測系
やはり、このあたりになると思うんです。
採用系であれば、
人材紹介会社頼みの状況はいつまで続けられるんでしょうか。
それすら待ちの状態、コントロールできなくなっていないでしょうか。
マネジメント系であれば、
リーダー育成だったり、人材育成だったり、離職トラブルだったりも。
それぞれ状況、シチュエーション、関わる人が全く異なります。
今後の業界潮流予測系であれば、
〇〇医療に取り組みましょう、とか、〇〇系の診療を導入していきましょう、
世の中が先に先にと進んでいくので、過去があてになりません、、。
上記3つのうち、人が関わること、
採用だったり、マネジメントだったり、
そして、この分野にいちばん頭を悩まされているんじゃないでしょうか?
この分野に関して、コンサルが具体的にどんな提案を皆さんにしていくかというと、
過去のパッケージ、ツール的なものが使えない以上、
スタッフは「人財」です。
院長がビジョンを掲げて、スタッフがいきいきと働ける病院にしていきましょう。
こんな抽象的な感じになっていくはずです。
スタッフを大切にしましょう、やりがいを持たせましょうという感じです。
ただ、人に関わる分野をとことん関わらせていただいた僕から言わせていただくと、
そもそも、そんなキラキラした会社で働いてきたことがあるんでしょうか?
私含めてコンサルタントの人達がです。
僕はコンサルの仕事をさせてもらう際に「再現性」というコンセプトを重要視しています。
これまで携わらせてもらった病院で、ひとつとして同じ動物病院はありません。
スタッフがひとりひとり違えば、院長もひとりひとり違います。
院長ご自身のヒューマンスキルも違えば、院長のやる気・モチベーションすら違います。
仮に何かしらのビジョンを掲げたとしても、それを落とし込んでいくためには相当な労力が伴います。
勘違いしがちなんですが、スタッフをどうのこうのする労力じゃないです、、
誰の労力って、一番は院長ご自身の労力です。
自己変革、つまり自分が変わらなければならないシチュエーションに身を投じられることになる訳です。
そもそも、ビジョンを見つけることすら難しいです。
人ってなかなか変わらないです、
それこそ人生終わるっていう目に、大切なものを失うような目に遭わないと。
だから、これが本当に大変なんです。
うまくいっている病院のあるある話ですが、
そんな病院ほど、実はスーパー院長だったり、スーパースタッフさんがいたりします。
院長が完全なトップダウン型か、権限委譲型かにも寄りますが、、。
少なくとも、これらの先生やスタッフさんは、こっちが考えられないぐらい「努力」をされています。その源泉となる「マインド」があります。
真似できないのはその「マインド」の部分です。
ものすごいバイタリティーであったり、向上意欲であったり、負けず嫌いであったり、、、
そう、僕を含めた普通の人はスーパー院長の真似してもしょうがないと思うんです。
ドラゴンボールではないですが、
地球人は、サイヤ人にはなれないですし、ましてやスーパーサイヤ人には絶対なれないですから。
動物病院コンサルタントを選ぶ基準
ここれまでお伝えしたことは、コンサルタントへの相談を検討される際に留めておいていただきたいことで。
ただ、「実際にコンサルタントに相談したい」となっている時、
もう精神的にいっぱいいっぱい、なんとかしてほしいというという状態じゃないでしょうか。
正常な思考力が鈍っている、いわゆる心理的不安状態に陥っているということで、、、
そんな時は、変な壺(つぼ)や高級布団を買わされてしまう可能性が高い状態とでもいいましょうか。
そんな状態の時には、うまいことを言われて、安易にそれを捕まえに行ってしまうおそれがあります。
コンサルタントを選ぶ際の注意事項
ビジョン・人財・イキイキ、こんなワードを出してきたら、自分にどれだけの負荷を課してくるのか。
相当ハードルが高い負荷を要求してくるようであれば、少しは信用していいと思います。
そして、
ご自身が相談する内容について、相手が「質問を3回以上重ねてくれるか?」
つまり、相談の答え(過去パッケージやツール)をすぐに提示しなければ、少しは信用していいと思います。
そんなこと???、と思われるかもしれません。
これは相談者ご本人を救うためでもあり、同業のちゃんとやってるコンサルを救うためでもありますが、
ひとつの相談に対して、質問を少なくとも3回も重ねると、問題の本質が見えてきます。
採用できないと相談したが、採用できないのは離職が多いからであって、
離職が多い原因は実はスタッフとのコミュニケーションの問題が本質だったり、
売上を伸ばしたいと相談した理由が、実は奥様との関係悪化が原因だったり、と。
本当に取り組むべき本質的な課題が見えてきます。
そこの労力をコンサルタントが面倒がらずにやれるのか。
課題の本質に向き合えるのか。
もちろん、質問の仕方次第で、尋問にもなるし、誘導もできるし、テクニックもあるのでそこは注意していただきたいです。
そして、当たり前ですが相性も大切です。
ご自身がラクをしたいと思っても、それをコンサルに求めたら結果は伴わない、つまりラクはさせてもらえないという訳です。
今回は、
動物病院コンサルタントを選ぶ基準
簡単に答えをくれない、院長ご自身の負荷を求めるコンサルは少しは信用してもいい
こんなことについてお伝えしました。
ちなみに、僕自身のご支援のスタイルは、
院長先生にハードルを課すスタイル、、、に近いかもしれないんですが、価値観が合う方とのつながりを大切にしています。
そうでないと、院長先生が大切にされることを引き出すこともできないですし、その取り組みを本気でご支援できない、と思いますし、これまでそうやって経験してきたからです。
以下の記事で、その理由を詳しくお伝えしています。